サイコロ追跡中。

サイコロの転がる、その先へ。

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2008年

10月19日

(日曜日)

あらためて、オノ・ナツメを読んでみる。

 最近友人との会話で、オノ・ナツメの話になりました。敬称略。人間、偉くなるとセンセイと呼ばれ、もっと偉くなると見ず知らずの人に呼び捨てにされます。

 オノ・ナツメ。漫画家です。えーっと、そうですね。もしあなたが日常生活でプチオタク自慢をしなければいけない事態に陥ると便利な作家です。オノ・ナツメ。「俺は、こんな実力派作家も知ってるんだぞ」っていうカンジ。うん、オタクっぽい。最近は、ちょっと変な話題にもなった「のぼうの城」という小説のカバーも書きました。(そういえば、のぼうの城、読んでねぇや)

 英語とイタリア語ができるんで、作品はとってもカッコよいです。でも、ついぞ単行本を買わなかったんですよね。時々立ち読みする程度で。「あ、この人また描いてる。面白い作家だよね」ってカンジ。そのころから、男の描き方がヤオイっぽいなと思っていたのですが、今下調べしたら、やっぱりボーイズラブも描くそうです。

 で、なにが話題になったかってーと、「さらい屋五葉」っていう、この人の作品では一番単行本が出てるシリーズが、あまり面白くないように思えるってお話でした。

 あ、一応誤解のないように言っときますけど、並みの漫画よりはずっと面白いんですよ。オノ・ナツメにしては、って基準ですからね。

 まぁそこで、改めてオノ・ナツメの本を買って読んでみたわけです。
で、やっぱり「五葉」が悪いんじゃなくて昔の作品が見事すぎるんじゃないかって思うわけですね。もしかすると、あんまり長編はお得意でないのかも知れませんが。

 ストーリーとか、仕方ないとしてもですよ。長編なんですから。お話動かさなきゃいけないわけですから、「LA QUINTA CAMERA」や、「not simple」みたいに「動かない物語」は書きにくい。

 でもね、絵。絵がね、最近汚い。どう見てもワザとなんですが、昔の、なんというか、奈良美智さんチックな絵から脱却していて、かえって歯がゆい感じ。確かに、人物の区別がつかないっていう欠点はあったんですけど、「異様にうまい絵」から「そこそこうまい絵」にランクダウンするこたぁないんじゃないだろうかと思ってしまうわけですよ。公式サイトのクマの絵とかブッチギリでうまいので、わざとなのは明確でしょうと思います。

 なんか、残念だなー
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2006年

10月03日

(火曜日)

人を殺す漫画―美味しんぼを非難する。

 皆さんご存知でしょうが、「美味しんぼ」という漫画があります。料理を題材にした教養系漫画で、結構な数の人たちがこの漫画から得た情報を信じています。
 で、この漫画のネタに、決定的な取材不足を伴うものが多く含まれていることを知っている人は、今回の記事を読む必要はありません。

 例えば肝心の料理でも、漫画に描いてあるとおり作ったらとんでもない物ができる(例えば、腐る)ものが僕が確認しただけで3つあります。(本職の料理人さん数人に聞いたところ、もっとあるそうです。)

 で、そんなことはちょっとググればわかりますし、ネタとして大笑いすればいいのですが、人を殺しかねないとなると話が別です。様々な媒体で、何度も信じちゃいけないよ!と呼びかけておくことが重要だと思いますので、今回取り上げます。

 さて。一つ目の人殺しネタは、あまりのひどさに非難が集中したため、大きなお詫び記事が出て、単行本に収録されていないようです。ネット上でもいじられまくって、風化したネタです。それでも、雑誌掲載時に読んで、追加情報を得ていない人が偶然通りかかったらラッキーなので書いておきましょう。

 問題になったのは、離乳食として蜂蜜と半熟卵を与える場面。

蜂蜜を1歳以下の赤ちゃんに与えてはいけません。ボツリヌス菌による食中毒で死亡する可能性があります。

卵は少量から試すか、固ゆでの卵からにしましょう。その子が卵アレルギーの体質を持っている場合、強い反応を誘発することがあります。



もうひとつ、問題になる話があります。それが、最新単行本収録の、主人公の友人、岡星さんがうつ病にかかる話です。ここでは、主人公がいいことを言います。「うつ病にガンバレは禁句」正しい知識です。是非皆さんにも覚えていただきたい。しかし、その舌の根も乾かないうちに、その人を、よりによってその人の職業である料理で励ますのはやめてください。

「うつ病にガンバレは禁句」の「ガンバレ」とは、その人を励ます全ての行動を指します。うつ病の人の訴えにどう答えたらいいかわからないときは、その人の言うことを共感を込めて繰り返しましょう。例:「早く仕事に戻らなきゃと思うと、焦ってしまってつらいんです。」「そうですか、焦ってしまって、つらいんですね。」

また、岡星さんが「死にたくなる」と漏らしたのに対して主人公は言い放ちます。「じゃ死ねばいい。」「言われなくても死にますよ。」「死ぬと決めたら、死んだも同然だ。気持ちが軽くなっただろう。あと一年だけ俺に命を預けないか。」

うつ病の人に気のきいた言い回しをしてはいけません。あなたの気分がよくなるだけです。特に死について語り始めたときは、よく話を聞いてあげて、絶対に精神科医を受診するように勧めてください。

 うつ病は落ち込んだ雰囲気になる、いわゆる気分の障害だけではありません。様々な事象を自分を追い詰める方向に解釈する、知覚や思考等の障害を伴っています。「気のきいた言い回し」は十中八九までこちらが意図したようには通じません。
 また、たとえ冗談めいていても「死」について周囲に漏らし始めたときは、重症と考えて差し支えありません。気のきいたことをいっている暇があったら、すぐに一緒に精神科に行ってあげましょう。

 精神科医や其の他の専門家以外の人たち(つまり僕たち)がうつ病の人に対するとき、相手が主でこちらが副であることを絶対に忘れてはいけません。彼に意見を受け入れさせるのではなく、彼の発言を受け入れるようにしましょう。


最後に、最初の殺人離乳食事件の時に原作者が語ったことをそのまま引用しましょう。
「私が子育てをしていた20年前は、蜂蜜や半熟卵がだめだとは聞いたことがなかったので、よく与えていたけど、うちの子供は、アレルギーにもアトピーにもなりませんでした。」

この一文だけで、彼が論理思考が出来ないのがわかりますね?もともと彼を信用してはいけないのです。彼には論理思考が出来ないのですから。

この記事の真の目的は美味しんぼを非難することではなく、知識の書き換えですから、これ以上は言いません。これ以上の罵詈雑言も、他の人に譲ります。

美味しんぼを信用してはいけません。

2006年

09月05日

(火曜日)

西原理恵子はたいへんきたない。

 今日はサイバラの本を読みはじめて止まらなくなりました。移動先にもって来ていた(他は実家に預けてきました)のが10冊ほどで本当に助かりました。


 あ、サイバラってなに?というのは現代用語の基礎知識なので自分で調べてください。


 で、いつも思うのですが、このサイバラという人、商売のやり方がたいへんきたない。

きたないところ1:明らかに、ここを押すと人が泣くというツボをこころえています。「ぼくんち」を一気読みすると、涙とハナミズがドビュッとでて、止まらなくなります。これはいかん、なにか「わらかし」系のサイバラ作品を読まなければっと思って、「できるかなV3」を読んだら、うっかり開けたところがホステスさん編で、もう今月分の涙を使い果たしてしまいます。泣かし方は古典的で、ミエミエで、わかっちゃいるんですがそれでも泣いてしまうのです。


きたないところ2:バカのフリをして、じつはインテリ。コレは時々、本当にだまされている人に出会います。この人ははっきり言ってインテリです。「お金が無いのは首がないのと一緒」なんていうセリフはインテリからしか出てきません。?と思ったあなた。このセリフには元ネタがあります。近松門左衛門作「冥土の飛脚」が歌舞伎に改作された時の「恋飛脚大和往来」通称封印切がそれ。僕は見たこともありません。じゃあ理数系がダメなのかというと、清水義範作「いやでも楽しめる算数」の「文章題がいやだったのだ」のところに、「物理」の話題がカットとして出ている。僕の周りの一般人で、算数の文章題と物理を同一視できる人は少数派です。なんだ、わかってるじゃん。


 気をつけてください。サイバラは今もあなたをその汚い商売の毒牙にかけようとしています。僕?僕はもう手遅れです。毒が全身に回っているのです。明日、注文していた「女の子ものがたり」シリーズ3冊を買いに行くのですから。

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